睡眠不足が健康に悪いと言うのは、体験済みのことでしょう。では、睡眠時間を削ると、どのようなデメリットがあるのでしょうか?大きくは以下の4つと考えられます。①病気になる。寿命が縮む。②仕事の効率が低下する。③太る。④認知症になる。
デメリット① 病気になる、命が縮む。
研究によって数字に幅がありますが、睡眠時間が6時間以下の人は、そうでない人に比べて、ガンが6倍、脳卒中4倍、心筋梗塞3倍、糖尿病3倍、風邪5.2倍、認知症5倍、うつ病5.8倍となっています。
具体的には、睡眠時間を削ると「命の回数券」と呼ばれるテロメアが短くなります。テロメアは染色体の末端にあり、細胞分裂をするほどに短くなり、テロメアがなくなると細胞分裂ができない状態になります。テロメアと寿命は深い関係があり、睡眠不足は寿命を削り、十分な睡眠は寿命を延ばすと言えるのです。
睡眠不足による身体へのダメージは少しずつ蓄積し、40代後半から、50歳を過ぎて、ガン、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病という形で一気に現れます。睡眠負債をあなどってはいけません。若い頃に貯めた睡眠負債を、20年後に死神がとりたてに来るようなもの。若い内から睡眠改善に取り組んで欲しいものです。
デメリット② 仕事のパフォーマンスが著しく低下する
睡眠を削ることで、集中力、注意力、判断力、作業記憶、数量的能力、数学能力、論理的推論能力、気分、感情など、ほとんど全ての脳機能が低下することが研究結果で明らかにされています。睡眠不足の人は、本来持つ自分の能力の1~2割も低い能力で、毎日仕事をしているのです。頑張っても仕事がはかどらない。ミスや失敗が多い。疲れやすい。感情が不安定。人間関係が悪化する・・・など。
睡眠時間を改善するだけで、仕事や人間関係の悩みが解決するとしたら、どんなに素晴らしいことでしょうか!寝ることが究極の仕事術、どんな仕事より優先しましょう。
デメリット③ 食欲が暴走し、4倍太る。
あなたのダイエットが失敗するのは、意志が弱いせいではありません。睡眠不足のせいです。
A.睡眠不足と肥満度の関係。コロンビア大学の研究によると、7時間睡眠を基準にした場合、肥満の人の割合は5時間睡眠で50%アップ、4時間睡眠で73%アップという結果になったそうです。また、スイス・チューリヒ大学で27歳の男女500人を13年間追跡した研究では、睡眠5時間以下の人は、6~7時間の人に比べて、年間のBMI(肥満度を表す、ボディマス指数)の上昇率が約4倍もあることがわかりました。
B.睡眠不足で、食欲が異常に亢進(こうしん)。睡眠不足になると、食欲を増進させるホルモンのグレリンが増え、食欲を抑制するホルモンのレプチンが減ります。睡眠不足では、食欲を我慢することが困難になります。睡眠不足になると「食べたい!」という衝動は強まり、「我慢しよう」というコントロールは弱まるのです。やせたいなら、まず「7時間睡眠」をめざしてみて下さい。
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